NHK受信料 相談、10年で4倍 滞納5年超分も集金


 NHKの受信契約などを巡り、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数が2016年度に8472件となり、過去10年間で4倍に急増した。集金業務の強化と関連があるとみられ、消費者問題に詳しい弁護士は「NHKは適切な集金に努めるべきだ」と指摘する。最高裁は6日、受信料制度の憲法適合性について初判断を示す。【伊藤直孝】

 相談件数は、集金トラブルを巡る訴訟でNHKを訴えた原告側の弁護士が国民生活センターに照会し、今年4月に回答を得た。

 毎日新聞が裁判記録に添付されたセンターの回答書を閲覧したところ、07年度の相談件数は1926件だったが、右肩上がりが続き、15年度に8000件を超えた。07~16年度の10年間の合計は約5万5000件で、年代別では20代が7074件と最も多く、60代7032件▽70代6520件▽30代6446件--と続いた。

 相談には、1人暮らしの息子が午後8時ごろに集金担当者の訪問を受け、契約の自覚なく名前を書かされた▽テレビはないが、賃貸住宅でアンテナがあるため担当者に迫られ契約してしまった--などの事例があった。

 受信料の不払いはNHKで不祥事が相次いだ04年ごろから急増。支払率は06年度に68%まで落ち込んだ。NHKは同年から支払い督促など集金の強化に乗り出し、昨年度は79%まで上昇した。相談の増加はこの動きと関連しているとみられる。

 一方、受信料は滞納者が時効を主張した場合、過去5年分までしか徴収できないことが14年の最高裁判決で確定している。一定期間行使されない権利を消滅させる「消滅時効」と呼ばれる制度で、NHK側に通知義務はない。ただし、トラブルも報告されている。

 消費者問題に詳しい猪野亨弁護士によると、集金担当者が昨年1月、月約7万円の年金で暮らしていた札幌市の無職男性(73)に対し、10年分の滞納金約17万円を一括で支払う手続きを取った。男性は消滅時効を知らず、猪野弁護士に相談して支払いが免除される生活保護受給を申請した。

 NHK広報局は集金業務に関する相談が増えていることについて「丁寧な対応が必要で、苦情やご意見が寄せられた場合、事実を確認して担当者に指導し、訪問マナー向上に努める」とコメント。消滅時効については「公平負担の観点から全額請求させていただく。(滞納者から)申し出があれば該当金額を控除して請求する」としている。

NHKの受信契約などを巡り、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数が2016 - Yahoo!ニュース(毎日新聞)
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